『ヒミツ』第11巻 41 親たち1

2025.04.19 その他

41 親たち1

人類にはね、親が4人いるの。

種まく親と、生みの親、育ての親、そして見守りの親よ。

あなたも、生命の基本となる塩基は宇宙由来、って

話を聞いたことがあるかもしれない。

あれをもっと積極的に、意図的に、

生命の種をまく活動をしてる人々がいるわ。

銀河を旅しながら、ハビタブルゾーンの惑星を探し出しては、

ボランティア活動をしてる。

それが「種まく親」たちにとっての《生きがい》であり、

先行して花開いた種族の《使命》と考えているのよ。

もう何十億年も前の話だけど。

その後、「生みの親」が鉱物資源の採掘を目的に飛来した際、

地球ではまかれた種たちはすでに発芽し、すくすくと多様な

原始の生態系が育っていたわ。

採掘活動を効率化するため、その種族はサルに自分たちのDNAの一部を移植し、

地球の環境に合うよう遺伝子操作して、人類種を作り出したの。

彼らは地下資源の採掘を手伝わせる傍ら、人類に基本的な文明を

授けていったわ。

アダムとイブの話や、世界各地に残る開闢(かいびゃく)物語って、

このころの記憶が伝承化されたものよ。

「生みの親」たちは目的を達した後、地球を去った。

その後、複数の高度文明によって地球は何度も再発見されたけれど、

その中には、人類の進化を手伝うことにした者たちがいたの。

「育ての親」たちよ。

彼らは人類に文字や天文学や数学を授け、農業を教え、

社会を形成していくための法律や、治水や建築の技術なども

伝授していった。

かくして人類は、他の哺乳類とは一線を画す知的生命体へと

進化していったの。

・・・ところが、よ。

地球を再発見した種族のなかには、

ネガティブな指向性の強い者たちがいたの。

ポジティブな勢力が過度な干渉をせず遠くから

見守る方法を取っているのに対し、

ネガティブ勢はそんなことにはおかまいなし。

圧倒的な知能とテクノロジーの差を使って、

人類社会に干渉してるわ。

操ってる、もてあそんでいる、と言った方が正確かしら。

そんな存在、見えも感じ取れもしないのは、

彼らが高次元側に生息しているからよ。

もうすぐ、人類も高次元側を探索できるようになるけれど

すでに主要政府間では、こうした存在のことは常識になってる

きびしく報道管制がしかれてるので、日本ではほとんど

気づかれてないけどね。