『ヒミツ』第11巻 38 レシピ7
38 レシピ7
「関税」って言葉だけが独り歩きしてる。
たんなる見せ球よ。
トランプおじさんは、
シンクタンクが設計した緻密なシナリオに従って、
ジャイアンを演じてるに過ぎない。
気性的にぴったりなので、たしかに違和感ないね。(笑)
だからみんな振り回されてる。
シナリオ自体は単純なものよ。
米国勢は、増えすぎた債務とFRBの高金利政策のダブルパンチで、
毎月の利払いだけで財政破綻しそうになってる。
先月、恒例行事となった債務上限引き上げには成功してるけれど、
いつまでもつづけられるわけもなく、抜本的な手を打つ必要に迫られてるわ。
秋までに手を打たないと、ほんとに国が破綻しちゃうのよ。
要するに、彼らがやろうとしているのは、こーゆーこと。
1 高関税を課して、世界経済をスタグフレーションに追い込む
2 企業業績は悪化し、リストラ → 国民たちの購買力は著しく低下
3 需要が急減するので、米国も世界もデフレに転換する
4 FRBは低金利政策へと転換が可能になる
5 天文学的にふくらんでる政府負債を、低利な長期債へ借り換えていく
6 関税交渉の過程で、防衛費の肩代わりや交易条件の改善等、
各国から+αでさらに有利な諸条件を引き出していく
ひとことでいうなら、「世界経済を犠牲にして自分だけ生き残ろう」作戦。
いかにもアングロサクソンが考えそうなこと。(笑)
でも、さらにその先の「レシピ」もすでに準備が進んでいる。
7 上記の過程で、ドル安/円高が実現される
8 外圧により、日本では「関税」と見なされた国内税制が見直され、
30年間経済に意図的にかけられていたブレーキが外される
9 通貨高により輸入物価の高騰を相殺できることもあり、
日本だけは経済が活性化していく
10 「日本以外全部沈没」状態であるため、世界中の投資マネーが日本に集中し、
さらに経済成長を加速
11 金融&不動産マーケットを中心に、来年からいよいよ日本バブルへ
ただし、恩恵は主に「大企業+富裕層+大型不動産+大型株」に
もたらされるのであって、一般国民も中小企業も基本はカヤの外。
小型不動産も、よ。
まぁ、多少のおこぼれくらいはあるかもしれないけどね。(笑)
実際、今年に入ってからのドル/円の動きを見てみるといいわ。
着々とシナリオが進行してるのが、わかるはずよ。
「レシピ」が読めてるなら、料理人には創意工夫の余地が生まれる。
あなたは、どう対処する?