『ヒミツ』10巻 49 満たされた日々1
2024.12.09
その他
49 満たされた日々1
この時期になると、今年はどんな年だった、
来年はどんな年になるだろうって、
「ゆく年くる年」系の話題が増える。
でも、筆者はあまりそういう話には興味がない。
彼にとって大切なのは、つねに「いま」だから。
今日一日を、せいいっぱい生きる。
たのしむ。
未来の準備もよくやりはするのだけれど、あくまでそれは
意識のフォーカスを向けずに粛々とやる作業の一種であって、
ていねいに味わうのはあくまで「いま」。
なにげない日常の、この瞬間たち。
休日は朝に古い映画を見て、ランチは山で軽食をいただき、
午後は林道のわきでお昼寝をして、コーヒーを1杯。
特別ななにかがあるわけではないけれど、
彼にとっては、最高に贅沢な休日。
特に古い作品たちには、映画界がおかしなエネルギーに
乗っ取られる前の「すこやかさ」や「おおらかさ」が残っており、
ほっこりしたりくすっとしたり、本来の人間模様を味わうことができて、
何物にも替えがたい喜びをもたらしてくれる。
見慣れた俳優さんたち&女優さんたちの、若いこと。(笑)
輝いていること。
仙台も、山間部は、日によって雪がちらつくようになってきた。
季節の変わり目を肌で感じながら、その変化にあらがわず、
流されるがままに、そのときにできるおたのしみを味わう。
濃密で、平凡で、満たされた一日。