『ヒミツ』10巻 45 次のフェーズへ6
45 次のフェーズへ6
そんな世界史の中で、あなたはどう生きる?
もちろんこれが答えです、これが正しいんです、
なんて正解があるわけじゃないけれど、
筆者なりの回答はすでに提案済みよ。
「戦略的に内向きになる」って。
みんな、外ばかり見てる。
外部から起こってくる事象に対応しようとする。
だから、巻き込まれちゃうのよ
自分以外の外的要因が自分とは無関係な外部に存在し、
自分の思い通りにはならない影響を自分に及ぼしてくる、って
「外部説」があなたの無力さを生み出しているの。
それが隠し持つ前提条件こそ、不如意のほんとうの原因。
だから筆者は、他責は止めようよ、自責の人として生きようよ、
って口酸っぱく言ってるのよ。
いい?
あなたは神なの。
少なくともあなたに直接かかわる現象すべての原因は、
あなたにある。
あなた自身が生み出している。
この前提に立つなら、逆にあなたは主人として、
少なくとも自分に直接かかわるすべての現象を
コントロールすることができる。
・・たしかに、すぐにはできない。
全部もできない。
ある意味、ぜんぜん思い通りになんか変えられない、
実際よくならないじゃん。
そう言いたい気持ちはよくわかるわ。
人類は小さい頃は両親から、物心つくと学校で、社会に出ると職場で、
きわめて首尾一貫した洗脳を受けながら育つから。
寝る前には、継母から毒リンゴで殺されそうになる怖い話を聞かされ、
みんなと机を並べては点数や偏差値で無力感を植え付けられ、
給料もらうにはラットのレースを走るしかない、
と信じ込む大人になったから。
そのどれもが不安の内面化を誘発し、無力でダメな自分を体現し、
マネーを追いかけては追われつづける以外の生き方はない、
という強固な自己規定を強要してくる。
あなたにはどうにもならない、外部要因たちが。
・・・でも、戦略的に内向きになると、
ちょっと変わった風景が見えてくるはずよ。
たしかに、それらはみな深層心理の深いところにあるので、
意識でアプローチしようとしても、直接は変えられない。
でも、意識と無意識は相互の関係しあっており、
相互に影響をあたえあっている。
意識して、特定の方向の言動を繰り返すことで、
無意識側に「自分が進みたい方向性」を主人として
命じていくことは、十分に可能なのよ。
時間はかかるけれど、まちがいなくできる。
だから筆者は、心の傾きに敏感になり、
自分の内面にフォーカスを当てる練習を続けることで、
数年かけて、その主人性を回復していきましょう、
ってプログラムを提唱しているの。
実際、彼の会社では、全役職者が週休3日制をはじめており、
それに加えて週1回のテレワークも開始している。
労働の負荷を下げ、落ち着いて自分と向き合える時間や環境を、
意図的に増やしていこうとしているの。
自分が神であることを、会社全体で回復しようとしているわ。
少なくとも自分に関する限り、自分が最強。
それを実感し、それを実践し、それを自在に操る練習をしていくのよ。
これから3年かけて、じっくりと。