『ヒミツ』10巻 11 Dance with 3
11 Dance with 3
神々のダンスには、ちょっと変わった特徴がある。
「天の岩戸」の神話、知ってるでしょ。
日本の太陽神「アマテラス」は、スサノオの乱暴狼藉に心を痛め、
天の岩戸の奥に隠れてしまった。
太陽を失った世は暗黒世界となり、乱れ、荒廃していった。
アマテラスに戻ってもらおうと、
他の神々はあの手この手を尽くすも、上手くいかなかった。
そこで、ある神が一計を案じた。
岩戸の前で歌い、囃(はや)し、笑い、踊ったの。
神々があまりにたのしそうにしているものだから、
気になってアマテラスはつい岩戸を開き、顔をのぞかせた。
神々は、「別の立派な神がいらしてくれたんですよ」といい、
鏡をアマテラスに向けた。
たしかに、そこには神々しい太陽神が映っているではないか。
おどろいて動きが止まったところを、別の力自慢の神がぐいと引っ張り、
アマテラスを岩戸から出すことに成功。
かくして、世界には再び光があまねく差すようになり、
太平の世が戻ってきた。
いろんな意味で、象徴的だと思わない?
日本は、万物に神が宿る「八百万の神々」の国でしょ。
草木にだって、石ころにだって、鳥にだって虫にだって
神が宿っている。
ましてあなたには・・・・。
ダンスしてるとね、あなたは彼女につながりやすくなるの。
彼女の方から、気になって顔をのぞかせてくる。
好奇心いっぱいに。
「たのしそうだけど、何してんの?」って。
他の神々と協力しながら踊っていると共鳴が起こり、
喜びは情熱となり、幸せホルモンの分泌もさかんになって、
「ゾーンに入った状態」がやってくる。
神々はみな、本来の<神通力>を発揮しはじめるの。
万物を照らす太陽神とつながりやすくなると、
それはさらにパワーアップする。
荒廃した世相の因果律なんて、もうそこには到達できない。
搾取も、支配も、よ。
筆者は日常の9割が遊び。
遊んでばかりいる彼がなぜこんなに豊かなのか?
なぜ彼は、大好きな音楽や読書や車道楽に興じながら、
犬と戯れ、子とキャッチボールし、
山に出かけては大好物のラーメンをほおぼるだけで、
こんなに豊かに暮らせるのだろう?
なぜ彼は、日々の労働から解放されたのだろう?