『ヒミツ』10巻 11 Dance with 3

2024.09.12 その他

11 Dance with 3

神々のダンスには、ちょっと変わった特徴がある。

「天の岩戸」の神話、知ってるでしょ。

日本の太陽神「アマテラス」は、スサノオの乱暴狼藉に心を痛め、

天の岩戸の奥に隠れてしまった。

太陽を失った世は暗黒世界となり、乱れ、荒廃していった。

アマテラスに戻ってもらおうと、

他の神々はあの手この手を尽くすも、上手くいかなかった。

そこで、ある神が一計を案じた。

岩戸の前で歌い、囃(はや)し、笑い、踊ったの。

神々があまりにたのしそうにしているものだから、

気になってアマテラスはつい岩戸を開き、顔をのぞかせた。

神々は、「別の立派な神がいらしてくれたんですよ」といい、

鏡をアマテラスに向けた。

たしかに、そこには神々しい太陽神が映っているではないか。

おどろいて動きが止まったところを、別の力自慢の神がぐいと引っ張り、

アマテラスを岩戸から出すことに成功。

かくして、世界には再び光があまねく差すようになり、

太平の世が戻ってきた。

いろんな意味で、象徴的だと思わない?

日本は、万物に神が宿る「八百万の神々」の国でしょ。

草木にだって、石ころにだって、鳥にだって虫にだって

神が宿っている。

ましてあなたには・・・・。

ダンスしてるとね、あなたは彼女につながりやすくなるの。

彼女の方から、気になって顔をのぞかせてくる。

好奇心いっぱいに。

「たのしそうだけど、何してんの?」って。

他の神々と協力しながら踊っていると共鳴が起こり、

喜びは情熱となり、幸せホルモンの分泌もさかんになって、

「ゾーンに入った状態」がやってくる。

神々はみな、本来の<神通力>を発揮しはじめるの。

万物を照らす太陽神とつながりやすくなると、

それはさらにパワーアップする。

荒廃した世相の因果律なんて、もうそこには到達できない。

搾取も、支配も、よ。

筆者は日常の9割が遊び。

遊んでばかりいる彼がなぜこんなに豊かなのか?

なぜ彼は、大好きな音楽や読書や車道楽に興じながら、

犬と戯れ、子とキャッチボールし、

山に出かけては大好物のラーメンをほおぼるだけで、

こんなに豊かに暮らせるのだろう?

なぜ彼は、日々の労働から解放されたのだろう?