『ヒミツ』第9巻 38 WQライフ 01
38 WQライフ 01
筆者の提唱するWQライフは、まず労働負荷の低減からはじまる。
週休2日&8h/日の一般的な労働環境って、たしかに昔に比べれば
改善されているけれど、過酷な競争社会って実態も加味するなら、
筆者は長すぎる、と感じる。
だから彼の会社では、執行役員以上はみな週休3日してる。
一般社員への導入も3回試みたけれど、こちらは3回とも失敗に終わった。
趣旨を理解し、生産性の向上に努めてくれる社員と
そうでない社員のギャップが大きすぎて、
一律導入は無理と判断せざるをえなかったの。
変えようとしない人、変わろうとしない人、
あぐらをかく人、ブラックボックスを解消しない人など、さまざま。
特に既得権益をもつ古株/年配/上位の人に、こうした傾向が強い。
だから筆者は、大規模な社内改革に打って出たの。
彼はまず、重要な業務のクロス化からはじめた。
ヌシはたいてい、ブラックボックスに生息する。
自分以外にこの業務はできない、オレがいないと困るだろ、
ほらわたしがいないと回らないでしょ、って沼。
だから、重要な業務を洗い出し、そのクロス化ができたチームから
週休2.5に入ることにしたの。
AチームとBチームに分け、毎週(水)は交互に休む。
沼を埋め立ててくれたごほうびよ。
だれかほかの人でもできる、という状態にするには
マニュアルを準備したり、業務フローを明確にしたり、
暗黙知を明文化したりなどの作業が必須になる。
実際に、隔週で自分は休むわけで、
自分がいなくてもその業務が問題なく回る必要がある。
小さいことだけれど、ノウハウが属人化せず組織に蓄積するので、
これが全社に広がればとても強い組織になるわ。
長期的に、生産性もまちがいなく向上していく。
当初は反発も大きかったけど、趣旨に賛同してくれる社員も増え始め、
活動は着実に成果を生んでいる。
実際、もう少ししたら、第三回目のクロス化認定が行われるため、
週休2.5に入れる人数も3割を超えてくる。
自助努力をしてくれる人から順に、週休3日化は実現されていくでしょう。
あなたも、ダーウィンの有名な言葉を聞いたことがあるんじゃないかしら?
一番強い者が生き残るんじゃない。
もっともよく適応できた者が生き残るんだ、って。