『ヒミツ』第9巻 31 ライフスタイル 03

2024.05.15 その他

31 ライフスタイル 03

資本主義社会はね、これから「ファンド共産主義」とでも

いう方向へと変化していくの。

これまで、重要な社会インフラは政府や自治体が保有し、

全国民に均質なサービスを提供してきた。

民間だと儲かる都市部にばかり投資が集中しちゃうので、

地方は衰退する一方だから。

あたらしいファンド共産主義のもとでは、こうした原理原則は機能しない。

主要な社会インフラはだんだんと民間企業が保有するようになり、

その民間企業の株式をファンドが所有することで、けっきょく、

一国の産業界全体&社会全体がグローバルな巨大ファンドの支配下に

組み込まれていく。

宮城県でも、水道事業民営化が行われたでしょ

仙台空港だって、おなじよ

仙台国際空港株式会社の親会社は東急だけれど、

東急の株主には、大手金融機関や投資信託が名を連ねている

じゃあ、さらにそれらの株主は?

・・・ってたどっていくと、全体の構造が見えてくるんだけれど、

ふつうはそこまで考えたりしない。

宮城県の第一地銀で、地元では圧倒的な強さを誇る七十七銀行だって、

「主要株主の主要株主」をたどっていくなら、グローバル・ファンドたちの

姿が浮かび上がってくるわ。

金融機関;34,494,700株

外国法人;13,394,400株

この二者で、62%を超える圧倒的なシェアをもつのよ。

これはね、たんなる民営化の話しじゃないの。

国全体を支える重要な社会インフラだけの話しでもない。

そのレイヤーはどんどん下に降りていって、

地域を支える主要企業たちが主要銀行から融資を受け、

金利や配当という形で最終的に、

富はすべてグローバルファンドに吸い上げられていく。

そういう構造ががっちりと強化されていく、ってこと。

金利や配当性向の上昇によって、過酷さは増加する一方よ。

国民の側から表現すると、値上げで搾取されるけれど、

代替手段がないので甘んじるしかない

逃げ道はないの。

これらは、グローバル・ファンドと国民たちの関係。

じゃあ、政府と国民の関係は?