『ヒミツ』第9巻 12 WQテスト04
12 WQテスト04
実はね、彼はいまこの文章も出題されながら書いてるの。
咳がひどく、熱が出て、ごはんも食べる気がしない。
会社も休み、おとなしく家で寝てるしかない。
コロナだろうな、って感じ。
彼はけっこう免疫は強いので、インフルにもコロナにも
めったにかからない。
だけど今回はちがった。
あっさり罹患し、よく晴れた週末も結局寝てた。
でも、すでに豊富な実績を持つ彼は、すぐにわたしの意図を悟ったわ。
今回はコーヒー断ち。
彼はコーヒーをこよなく愛している。
無農薬/無化学肥料の生豆を取り寄せ、
数日で飲みきれる程度の量をつど自宅で焙煎し、
エスプレッソマシンでその場で挽いて、
高圧抽出していただくってこだわりぶり。
いやま唯一の嗜好品なのでちょっとかわいそうな気もしたけれど、
飲みすぎてびらんが日常化していると、次のステップでは胃ガンが待っている。
彼は6年前、ある人物に出会った。
TVで何度も取り上げられ、よく当たるので数年先まで
予約が取れないという、有名な手相の占い師。
占いなんてアホみたいって思うかもしれないけど、
実際、彼自身がそう思っているのだけれど、
一方で彼は直観もしてた。
なんとなく、会っといた方がいい、って。
会ってみると、あまりにもズバズバ当ててくるので驚いた。
でも、メカニズムにはすぐ気づいたから、そこから先の不思議さはなかった。
この人物は、手相なんか読んでない。
「ほんとうの彼」と話してたのよ。
ある意味、彼よりも上手に彼と話せていた。
彼自身でさえ、断片的なインスパイアという形でしか
話せていないのにね。
占い師いわく、「あなたは、47歳の時に重い胃腸の病気になるので、
気をつけてください」。
だから6年前、彼はサイボウズに予約登録してたの。
検診を受けに行く、って。
それが今月だった。
今回、彼はコーヒー断ちに成功する。
慢性化していた粘膜のびらんも徐々に収まり、
胃ガン一直線コースは回避されるでしょう。
強制的に1週間、コーヒーなんか飲める状態じゃなかったからね。
しんどい状況は、実は「幸福への切符」だったのよ。
彼は出題者の意図を見抜き、見事に解いた。
あなたにも、似た課題があたえられてない?