『ヒミツ』第8巻 29 あたらしい働き方4
29 あたらしい働き方4
デジタル庁が公開している、生活満足度と幸福度に関する調査がある。
上にいくほど幸福度が高く、右にいくほど生活満足度が高い。
順位を見てみるわね。
<幸福度が高くなる因子>
1 健康状態
2 自己効力感
3 住宅環境
健康で、自分は役に立っていると実感でき、
環境のよい場所で暮らしているとき、人は幸福を感じやすい。
<生活満足度が高くなる因子>
1 公共空間
2 地域とのつながり
3 地域行政
人とのつながりがあり、交流できる場所も整備され、
教育や医療や各種サービス等、地域行政がちゃんと機能していると
人は生活への満足度が上がる。
たしかに、そうだわね。
両方を合わせるなら、緑の多い郊外で暮らしながら、
やりがいのある仕事をし、ご近所づきあいも円満、
地方自治体もしっかり機能している、
なんてのが日本人の理想の暮らし、ってことになるのかもしれない。
「所得」「大手企業」「美人」「学歴」「地位」なんて言葉が
どちらにも出てこない事実も、興味深いわ。
(行政の調査なので、社会設計がメインになるのはしょうがないけど)
じゃあ今度は、逆のランキングを見てみましょう。
<幸福度とは無関係な因子>
1 移動・交通
2 遊び・娯楽
3 デジタル生活
満員電車で出社してはPCに向かい、帰りは繁華街で一杯、
休日はつねにスマホ、なんて生き方がもっとも幸福度から遠い、
ってことかしらね。(笑)
<生活満足度とは無関係な因子>
1 自然の恵み
2 環境共生
3 遊び・娯楽
都市に暮らす現代人特有の傾向が出ている気がするわ。
自然を愛して郊外に住む人たちと、
自然に共感せずタワマン等に好んで住む都市部の住民とに
二極化しているんだろうな、って見える。
幸福度と生活満足度の両方に寄与しない因子として、
「遊び・娯楽」が上位に上がってるのも、なかなか味わい深い。
みなが一番に追い求めている、「欲望」の典型でしょうに。
こうした因子たちを、「欲望の充足」という観点と、
「必要性の充足」とに分けて考えてみたら、
意義深いヒントがみつかるかもしれない。
最高の因子=決定的な必須要因は実はすでに、
ずっと前から手元にあった、
多くの人は、ほんとうはとっくの昔に入手済みだった、
なーんて。(笑)
ここで注意したいのは、ネガティブなエネルギーに共鳴していると、
こうした項目たちが重点ターゲットになる、ということ。
人々を不幸にしたい、苦しめたいと思うなら、
全部に手を付ける必要はなく、
上位の因子を集中的に破壊すればいい。
<幸福度が高くなる因子>
1 健康状態
2 自己効力感
3 住宅環境
<生活満足度が高くなる因子>
1 公共空間
2 地域とのつながり
3 地域行政
いま世界で起こっていること、この日本でも進行中なことの本質が、
見えてこない?