『ヒミツ』第7巻 46 ダブル・ボディ3
46 ダブル・ボディ3
当社では、社長は手の内を明かしながら経営してる。
だれでもその情報にアクセスでき、
だれでもその方向性を理解することができる。
会社は営利団体なので、営利に寄与する順番に評価される。
一番評価が高いのは、社長の経営方針を
①理解し
②実際の行動を通して協力してくれ、
③事実として、結果を出した人。
正しい理屈をふりまわす人、文句だけで対案は出さない人、
求められる方向で行動しない人は評価が下がる。
当然、給与も賞与も役職も。
権限の範囲も、担当するプロジェクトの重要度も、
まかせられる予算の規模も、しかり。
当社はこれまでサークル活動の延長で経営されていたので、
こうした要素は効いてこなかった。
やってもやらなくても、正直、あまり変化はなかった。
破壊活動にも寛容だった。
でも、これからはそうじゃない。
社長はもう選択を終えているの。
理解をいただき、協力いただける方とだけやっていく、って。
企業を取り巻く環境は厳しくなる一方で、
残念ながらさすがの彼にも、もう余裕がないのよ。
全員をかばうのはむり。
自助努力をしない人に関しては、会社も助けられないの。
会社は、時代の変化に合わせて自らも変わっていこう、
とする方々とともに、変わっていく。
変わろうとしない方、社長のこうした考え方に共鳴できない方は、
ご自身の力だけで、そのすばらしいお考えを実践なさってください、
ということになる。
選択の自由はひきつづき保証されています、と。
以前、日本では、拓銀1行が破綻しただけで大騒ぎになったでしょ。
金融機関の破綻は、たんなる一企業の倒産とは異なり、
地域経済に与える影響が大きい。
米国ではね、今年になってすでに5行がが破綻しているわ。
日本ではほとんど報道されないので、国民の多くは知らないけれど、
それぞれ地域や業界を代表するような、有力な中堅行たちよ。
けっして、田舎の零細銀行なんかじゃない。
そして来年にむけ、これからも続々と破綻の連鎖がつづくんじゃ
ないかと懸念されている。
24万人を擁する世界有数の巨大銀行シティーグループでさえ、
(日経新聞)
企業を取り巻く環境はね、恵まれた日本だからあぐらをかける、
安心楽勝って状況じゃないの。
社長は、この意味が分かる方とだけやっていく、
という選択を行った。