『ヒミツ』第7巻 39 変わりゆくものたち5

2023.11.09 その他

39 変わりゆくものたち5

会社を変えていくとき、筆者が心がけていることがある。

それは、「周回遅れで、裏道を行く」ということ。

企業間競争では、先行者利益が大きい。

勝者総取り。

だからみな、最新分野に群がるの。

筆者は基本、そういう先端分野にはかかわらないようにしてる。

大手が本気を出し、巨額資本と優秀な人材を大量投入してくるなか、

中小企業が勝てる見込みはまずない。

だから、有望分野については基本無視してる。

いまでいうと、Fintechとか、DXとか、AI、自動運転、

量子計算、5G/6Gなどなど。

ただし例外的に、すでにその市場が立ち上がっており、

今後も中期的にある程度成長が見込まれる場合には、

すぐ飽和することを前提に、その市場の成長力に便乗する、

という方法はアリだと思う。

多くの人が買いたがるので、

商品を並べておくだけである程度売れる、って場合ね。

でもその場合は、最初から撤退戦略もセットよ。

事実、筆者はちゃっかり便乗した。

いまもしてるし、一部撤退もはじめてる。

「周回遅れ」はね、ありふれた既存ビジネスのなかでも、

特に斜陽化がはじまっている分野をあえて攻める、ということ。

当然に、大手が新規参入してくるわけない。

それどころか、彼らの多くは撤退モード。

雨後の竹の子のような、ベンチャーたちは見向きもしない。

だから、ある程度の資金しかなく、そこそこの人材しかいない中小でも、

なんとかなるのよ。

レガシー分野は、改善の余地が大きい。

生産性を高めることができれば、腐りかけの鯛が一番うまい、

という状況に持ち込めるわ。

筆者の例で言うとね、中小ISPの買収がそれにあたる。

当社は卸事業者なので、仕入れ値が安い。

ほぼ償却の終わった、大規模な運用管理システムも持っている。

社員は通信事業ばかりやっているので、熟練度も高い。

赤字になってたり、将来性のない滅びゆくISPでも、

当社が運用するようになると、そこそこ高収益化できる場合が多いの。

筆者の会社では、すでに20社以上を買収しているわ。

周回遅れの事業って、ステキよ。(笑)