『ヒミツ』第7巻 35 変わりゆくものたち1
35 変わりゆくものたち1
人の心は変化する。
一時期、あんなに夢中になって追いかけてたのに、
あるときから急に熱が冷め、関心が別の方向へ、って。
必要な学びを終えた、その分野はもう十分よ、って合図かも。
気にせず、どんどん次に行ったらいい。
一芸に秀でるには長期にわたる鍛錬が必要なので、
広く浅い関心は飽きっぽい、気まぐれ、腰が定まらないなど、
否定的にとられることが多い。
けど、世の中のそうした評価なんて、気にする必要ないわ。
変化の激しいあたらしい時代では、執着や長期にわたる拘束が
命取りになることもめずらしくない。
必要だと思うのなら続ければいいし、そう思わないのなら離れていい。
移ろってかまわない。
あなたの自由よ。
筆者はどんどん変わっている。
自称Webデザイナーとして個人事業を始め、
レンタルサーバー事業者、システム開発、プロバイダ、
と事業内容を変えてきた。
今年は祖業の終了まで踏み込んでる。
DHCはもともと翻訳業者(大学翻訳センター)だったし、
トヨタは織物機を、マツダはコルク栓を、
スバルはゼロ戦を作ってた会社。
時代の変化に合わせて、変わることで生き残ってきた。
若い人たちは、お酒を飲まなくなっているわね。
世界的なトレンド。
アルコールは松果体の活性を低下させ、直観をにぶらせる。
若い世代は、生き抜くのに必要な「キモ」を、
直観的に理解しているのよ。
学校には行かない、という選択肢も同じ。
筆者は、おそらく社内でもっとも直感が鋭い。
彼は、日常でも活用しているわ。
なんとなくご飯を多めに炊いたら、めずらしく子が
大盛り白飯をおかわりしたがった。
駐車場がいっぱいで入れなかったけど、
なんとなく右側の別の道を入っていったら、
ちょうど止められる場所があった。
年末年始、実は中東旅行を予約してあったんだけれど、
夏ごろ、なんとなく行く気がしなくなってキャンセルしたら、
あのドンパチ。
実は3年前にはエジプト旅行を予約していたけれど、
こちらもなんとなく行く気がしなくなりキャンセルしたら、
まさにそのクルーズ船から感染者が出て、
観光客たちが続々と隔離されていった。
外国で、初期のあのキョーレツな隔離政策に巻き込まれていたら、
けっこう難儀してたんじゃないかしら。
今年の夏以降は、急に山熱が冷めて、あんまり行ってない。
自分では解釈しているわ。
変化は直観。
直観はセンサー。
惹かれるということは、そこに必要な経験があるということ。
飽きたのなら、もうその分野は履修完了ってことでいい。