『ヒミツ』第7巻 32 ユニット1

2023.11.03 その他

32 ユニット1

ユニット0の中には、とくにウマが合う人たちっているでしょう。

半径10mのなかで、特に接触頻度の高い人たち。

特段意識してるわけではないけれど、

あのユニットのあの人たちに比べたら、

あきらかに話す回数が多い。

話しやすいし、意図を汲んですぐ動いてくれるしで、

いっしょにいて楽。

頼りにもなる。

それが、ユニット1。

あなたの波動に共鳴し、似た人たちが集まり、

方向性を同じくする経験を共有していくためのユニット。

社内が全部そういう人たちだったらいいのに、

と各ユニットの人たちは、みな他のユニットの人たちに対して思う。

お互いに、もれなく、全員が。

ネガティブ方向で共鳴しているユニットでは、

特に排他性が強くなりがち。

他のユニットの悪口がもっとも多いのも、このユニットの特徴。

協働しているように見えて、実は協力してない。

各自の損得が基本原理なので、

勘定が一致している間は仲がいいけれど、

そうでなくなった瞬間、足の引っ張り合いをはじめるわ。

だから、自滅しやすい。

長期にわたって、ユニットを維持することができない。

いままがりなりにも維持できてるのは、

ポジティブユニットの助力のおかげも大きいのに、

文句ばかりなので、次第に他のユニットからの協力は細っていき、

やはり長期的には、ゆるやかに自滅の道をたどっていく。

各自の選択なので、しょうがない。

だから、放っておいていいのよ。

反撃や反論は、彼らのネガティブ性を刺激して、

恰好の材料とエネルギーを供給しちゃう。

放置してたら勝手に自滅して勢力は衰えていくから、

うっちゃっておくに限るわ。

「やられっぱなし」が正解よ。

第5巻以降は、特にビジネスマンに焦点をあてて書かれているので、

会社の例で話しをつづけるわね。

社員10人の会社があったとしましょう。

そのうち9人が社長だったら、どうなる?

もう確実に、社内はしっちゃかめっちゃかよね。

ほぼ全員が濃ゆい一家言を持ち、方向性はこうだ、

未来はこうあるべきだ、だから施策はああだってやってたら、

あっと言う間に倒産。

船頭が多すぎて、営業どころじゃない。

群れを作る動物はみなおなじ。

多数派として、現場を担当する者たちがいる。

その人たちは基本、ポリシーや世界情勢、長期展望や数字に興味がない。

自分の目の前のこと、担当範囲、いまいくらもらえるか、が

関心の中心であり、他人がどうしてるか世界がどうなっていくか、

それつづけてると未来はどうなるかには、無関心。

それでいいのよ。

だから群れは、群れでいることができる。

一人一人は非力でも、群れ全体で分業し、専門性を高め、

全体として高い競争力を発揮するには、

大多数の構成員は目の前の業務に集中すべきなの。

それが、その人たちの自己表現の場。

それが、その人たちの劇場。

そのなかでしか学べないたくさんの経験があり、

たくさんの成長がある。

それでいいの。

危機感や経営感覚を持て、という方がおかしいのよ。

まず出発点として、それぞれの「ユニット1」を認めること。

ネガティブでも、ポジティブでも、中間でも、混交でも。

そして、共感できないユニットには関わらない。

あなたは、あなたに変えられる世界■、自分のユニット1に集中よ。