『ヒミツ』第6巻 23まだともう1
23まだともう1
コップ半分の水の話、よく聞くでしょ。
「まだ半分ある」と考えるか、「もう半分しかない」と考えるか。
前者は「ある」にフォーカスするため、足るを知る豊かさをもたらし、
後者は「ない」にフォーカスするため、不足感にさいなまれる。
幸/不幸のある種の源泉。
殺伐ゲームにハマるか、満足路線を歩んでいくか。
筆者は、一方が〇で他方が×派ではなく、
両方の路線を自在に切り替えられる、
選択権を持てるようになりませんか派。
状況に応じて自ら傾きを生み出す一方、
必要に応じて補正もかけられる、という
「主人として生きる」生き方がいい。
彼の基本方針は、
①社会不安が大きい状況下では満足路線を中心にして、
②社会不安が小さい状況下では、「もっと!」路線を中心に。
①の期間は、たのしいこと、わくわくすることを中心に経験してもらう。
いろんなことに片目をつむり、やさしい社長/許す社長の面が強い。
逆に②の期間は、きびしいこと、血の出ること、努力を要すること、
数字で結果がもとめられることを中心に、経験してもらう。
鋭いツッコミが増え、きびしい社長/追求する社長の面が強くなる。
いま、彼の会社では②が走ってるわ。
社長が率先して傾きを作っているので、必然的に
従業員たちも傾いていく。
人により、大小さまざまに。
しんどい経験は確実に増えていく。
・・・でも、いまはこの②方向での傾きが大切な時期。
この②のタイミングで既存事業の収益性を改善し、
新規事業にもチャレンジしておかないと、
数年後に再度やってくる①の期間に淘汰されちゃうからよ。
ふつうの会社では、逆のことしてるの。
きびしい期間に、きびしい対応をする。
背に腹は代えられない、会社もきびしいんだからわかってくれ、
って余裕のない対応をね。
逆に、②余裕があるときには、余裕かましてる。
採用を増やし、拠点を増やし、設備投資も増やし、って。
彼の真逆のアプローチは、なにを生むかしら?