『ヒミツ』第6巻 23まだともう1

2023.08.25 その他

23まだともう1

コップ半分の水の話、よく聞くでしょ。

「まだ半分ある」と考えるか、「もう半分しかない」と考えるか。

前者は「ある」にフォーカスするため、足るを知る豊かさをもたらし、

後者は「ない」にフォーカスするため、不足感にさいなまれる。

幸/不幸のある種の源泉。

殺伐ゲームにハマるか、満足路線を歩んでいくか。

筆者は、一方が〇で他方が×派ではなく、

両方の路線を自在に切り替えられる、

選択権を持てるようになりませんか派。

状況に応じて自ら傾きを生み出す一方、

必要に応じて補正もかけられる、という

「主人として生きる」生き方がいい。

彼の基本方針は、

①社会不安が大きい状況下では満足路線を中心にして、

②社会不安が小さい状況下では、「もっと!」路線を中心に。

①の期間は、たのしいこと、わくわくすることを中心に経験してもらう。

いろんなことに片目をつむり、やさしい社長/許す社長の面が強い。

逆に②の期間は、きびしいこと、血の出ること、努力を要すること、

数字で結果がもとめられることを中心に、経験してもらう。

鋭いツッコミが増え、きびしい社長/追求する社長の面が強くなる。

いま、彼の会社では②が走ってるわ。

社長が率先して傾きを作っているので、必然的に

従業員たちも傾いていく。

人により、大小さまざまに。

しんどい経験は確実に増えていく。

・・・でも、いまはこの②方向での傾きが大切な時期。

この②のタイミングで既存事業の収益性を改善し、

新規事業にもチャレンジしておかないと、

数年後に再度やってくる①の期間に淘汰されちゃうからよ。

ふつうの会社では、逆のことしてるの。

きびしい期間に、きびしい対応をする。

背に腹は代えられない、会社もきびしいんだからわかってくれ、

って余裕のない対応をね。

逆に、②余裕があるときには、余裕かましてる。

採用を増やし、拠点を増やし、設備投資も増やし、って。

彼の真逆のアプローチは、なにを生むかしら?