『ヒミツ』第6巻 3時代の構造2
3時代の構造2
その先も見てみるわね。
現代では、国はお金を作ることを許されていない。
多くの国では、憲法で通貨の発行権が認められているにもかかわらず、
実際には通貨を発行できないようになっているの。
国が作ることができるのは、借金。
つまり、国債ね。
国はその国債を金融機関に引き受けてもらうことではじめて、
日本円を手にすることができる。
当然、借金には金利がつきもの。
お金がないので借金するわけだけど、借金すればするほど
金利の負担も大きくなるので、いつしか返済のために借金し、
金利を払うために借金しって、雪だるまは自己増殖していくわ。
世界中で、すべての国がそうなっている。
もちろん、返済原資は税金なので、
間接的に「国民総雪だるま」が形成されていくの。
そう、あなたのところにお金が回ってこないのは、
この「雪だるま」がどんどん増殖していって、
あなたが働いて生み出した付加価値の大半を
かすめ取って行っちゃうからなの。
これは企業も同じ。
予算100万円の会社と、1億円の会社が勝負したら、
どちらが勝つかしら?
当然、1億円側が圧勝するわね。
企業はね、多額の資金がないと、現代社会では生き残れなくなってるのよ。
企業が資金調達するとき、多くは株式や社債、融資など。
株式を、株主への永続的な借金とみなすなら、
ここにもまた同じ構造がある。
現代社会では、配当という金利を支払って株主に借金するか、
社債や融資の金利を払って銀行や投資家に借金するかしないと、
企業は営業できないよう構造化されているの。
その借金や金利は製品価格に上乗せされ、
最終的には消費者が負担している。
つまり、あなたがね。
いい?
国の借金も、企業の借金も、株式からの配当も、
結局のところ、めぐりめぐってすべてあなたが支払ってるのよ。
2022年時点の世界の負債総額は、4京2,000兆円。
この全額を人類の9割の「あなたたち」が支払わせられ、
1割の超富裕層たちが独占的に受け取っている。
あなたのところにお金が回ってこない理由、わかったかしら?