『ヒミツ』第5巻 19 デトックス3
19 デトックス3
あなたも、彼女たちの活動に参加してみたい?
いいわ。
やり方を教えてあげる。
この間、性格診断テストをやったでしょ。
16パーソナリティの。
あれがあなたのホーム。
ありのままのあなた。
できるだけその状態を保つの。
それが、あなたにとって「中庸を保つ」ということ。
リラックスして、ゆるんで、つねにありのままの自分でいつづける。
もちろん、ときどき傾いたっていいのよ。
ついカッとなったり、落ち込んだり、悩んだりしてもいい。
そのたびに気づいて、おっといかんいかん、そこじゃなかったって
軌道修正できるなら、別に問題ない。
筆者なんか、1年365日のうち、340日くらいはクヨクヨ悩んでる。
彼は感受性が強すぎるので、ふつうの人にはなんでもない
他人のちょっとした一言、一挙手一投足に、いつも勝手に傷ついてる。
正直、生きづらい人。
だから彼は、自分の会社なのに、出社することができないのよ。
でも彼は、その繊細さを上手に活用しているわ。
直観が非常に鋭いので、他の人たちが見過ごしがちな状況のちょっと
した変化を敏感に感じ取り、効率よく会社の舵取りをしてる。
一般的な社長が8h×20日=160hかかる実労働を、
彼は2h×16日(週休3日)=32hの出社時間でこなしてるの。
特に山奥で一人静かに瞑想しながら、世界情勢の変化や
奥の院の意思決定を読み取ることが得意。
ある種のテレパシーね。
だから彼はつねに、先回り先回りしてる。
実はね、こうした動き方をしている人たちは、
世界にたくさんいるのよ。
それこそ、何万人も、何十万人もいる。
高いポジションにいる人だけじゃない。
専業主婦の人もいれば、ただのお年寄りの場合もあれば、
小学生の場合も、バイト君も、患者さんもいる。
お弁当屋のちひろさんだって。(笑)
それぞれが、それぞれのやり方で、それぞれの場所で、
世界のデトックスを行っているの。
共通点は、「中庸を保つ」というその意識の在り方。
その人を核にして、まわりに似た資質の人が集まり、
「中庸を保つグループ」の波動が徐々に周囲へと波及していく。
最終的に、人類はみなそのようになっていくのだけれど、
彼女たちはその先発隊の役割を果たしている。
参加するのに、別に試験を受けたり、特別な場所に行く必要はない。
入門する必要もなければ、受講する必要だってない。
必要なのは、自分の頭で考えること。
そして、「自分のホーム」で中庸を保つこと。