『ヒミツ』第5巻 2近代化2
ちょっと、思考実験をしてみましょう。
ためしに、「ピピン3世」で画像検索してみて。
肌の色が浅黒く、瞳も髪も黒く、身長が低い王の絵画が出てくるはずよ。
欧州随一の名門、ハプスブルク家につながる血統ね。
オーストリア=ハンガリー二重帝国の王家。
いまでも欧州の一部には、会釈をする習慣、干支のようなもの、
そろばんのような計算器具など、「往時の名残」が感じられる
習慣が残っていたりする。
その後、欧州ではペストで人口が激減し、領主たちが弱体化していった。
その絶好のタイミングで、黒い瞳の小柄な人々は続々と欧州における
支配力を強化していったわ。
どの民族だったのかしら?
逆方向のもある。
幕末の偉人たちのなかで、日本を近代化していくのに
主導的な役割を果たしていった、ちょっと変わった容貌の人がいるの。
身長が高く、彫りが深く、まるで西洋人みたいな容貌の人が。
たとえば、木戸 孝允(きど たかよし)で画像検索してみて。
あるいは、大久保 利通(おおくぼ としみち)。
日本人離れしたその風貌の特徴に、あなたもすぐ気がつくはずよ。
ロマノフ王朝の末裔は、山口県に住んでるわ。
現在でも、ロシアのオーナーとして、マネーの支配者は
隠然たる支配力を保っている。
中国だって、実際のオーナーは中国国内になんかいないのよ。
アメリカの場合、真の支配勢力はフィラデルフィアにいる。
一部は、信州に引っ越してきたみたいだけれど、日本からは逆に、
あたらしく決済権をもった若い女性がニューヨークに越していった。
現代でもね、「混交」はつづいているし、「隠然たる支配」の
本質はなんら変わらない。
政界/財界のフィクサー的な動きをしていた人物だけれど、
彼の瞳は青かった。
彼はね、それを隠すために、黒のカラーコンタクトをしていたのよ。
世界の主要王室は、平安時代にはすでに通婚化をはじめており、
日本、欧州、中国を中心に、ゆるやかなネットワークが形成されていった。
表向きの歴史や勢力争いの構図とは別に、「連合」が組まれていったの。
そして、彼らに仕える人々もまた、混交されていった。
ときどき、その片鱗が身体的特徴として現れることがある。
世界最大の経済大国となったアメリカだけれど、
「連合」内での地位は意外と低い。
新参者の米国は、「番犬様」として使役されていたにすぎないから。
逆に、「連合」の中枢にいるのは日本。
あなたの国よ。