ユーフォリア1
これから起ころうとしていることの先取り例になるため、
書いておきます。
世界経済がいっせいに沈滞した状態で、
どこか1か所だけが好調だった場合、投資機会を求めてさまよう
「じゃぶじゃぶ緩和マネー」はそこへ集中します。
せっかくの投資機会むざむざと見過ごすようでは、
ファンドマネージャー失格。
ファンドにかぎりませんが、リターンをもとめるあらゆる投資が、
将来収益が見込めるその一点に集中し、それがリターンを底上げするため、
さらなる投資機会を押し広げ、ますます追加の投資を呼び込み・・・、
という循環が回り出す。
労せずしてどんどん儲かるため、それを「自分たちの実力」と勘違いした
人も企業も再投資をくりかえし、ユーフォリアに酔いしれるわけです。
たとえば、昨年まで中古車市場は絶好調でした。
半導体不足と世界的な物流の停滞により、新車が作れない。
しかし、需要はある。
当然、人々はいますでにある中古市場に活路を見出すしかない。
出すと上がり、買うと上がり、仕入れる先からどんどん売れていくため、
転売ヤーたちも投資家たちもコレクターたちも有象無象に群がり、
古い大衆車が何百万円もしたり、一部は何千万円にも化けてた。
ここを好機と見た中古事業者の一部は、
身の丈を超えた投資を果敢に行ったのですが、
半導体供給の正常化と他国の需要減が重なり、中古車バブルは崩落。
他方、わたしが10年ほど前、
グラム4,000円ちょっとで買い増していた金の現物は、
あのころ、金現物なんて、だれも見向きもしなかった。
その金現物を使って、わたしは本日アクセリア社の増資を行い、
次のフェーズを勝ち抜いていくための資本増強にあてました。
だから当社は、来年も、再来年も、勝負をつづけていくことができる。
これが、グローバル・マクロが見えている人とそうでない人の差、
じゃないでしょうか。