『ヒミツ』第4巻 45 覚醒1
45 覚醒1
覚醒はね、自問からはじまるの。
「自分って、なんだろう?」
これまで迷うことなく、自分とはこの肉体のことだ、と思ってきた。
ほとんどの人が、いまもそう思いながら生きている。
でも、「乗り物」が本質ではないのだとすると、「自分」ってなに?
高次元の話をするとね、世の中ではすぐオカルト扱い。
三次元以上の「余剰次元」があるんじゃないかという可能性は高く、
各大学で活発な研究が行われているというのに、
なぜか卒業したらみな思考を停止してしまうの。
ランドスケープ(景観)って言葉があるでしょ。
地図を広げたら、あなたは A 地点にも B 地点にも自在に飛べる。
立体地図を使うなら、空間内のあらゆる点が、「いま、ここ」に、
同時に広がっているさまを俯瞰できるわ。
同様に、タイムスケープというものがあり、それを俯瞰できる存在なら、
過去も、現在も、未来もすべてが「いま、ここ」に広がっているのが見える。
理論上は複数の「時」へ自在に行き来できる。
それだけじゃない。
点を横に並べてたくさん重ねると、線になるわね。
線をいっぱい横に並べていくと、面になるでしょう。
面を平行に重ねていくと、立体になる。
同様に、三次元空間をたくさん並行に置いてくと、4次元空間になる。
3次元に住むわたしたちには、4次元空間がどんなものかは
直接見えないのだけれど、
いわゆる「パラレル・ワールド」って思えば理解しやすい。
多層的に存在する多世界 W の、任意の時刻 t を俯瞰でき、
自在に行き来できるとすれば、けっこうおもしろいんじゃないかしら。
あなたがお金持ちで、続々と夢をかなえながら生きてる世界もあれば、
そうじゃない世界もある。
もし、複数の世界や時間をまたいでいけるとしたら?
試してみる価値、あると思わない?(笑)