『ヒミツ』第4巻 39 受信機3
39 受信機3
夢で受信するタイプの方向けに、ちょっとコツを書いておくわね。
まず、内容自体にあまり意味はないので、細部にはこだわらないこと。
どうせ起きる直前のシーンしか覚えていないし、
あんまり内容を遡っていっぱい思い出そうというのも、意味ない。
ただ、強度はわりと重要よ。
①暴漢に襲撃される
②蛇に噛まれる
③友達とケンカする
④ねちねちと、イヤミを言われた
切迫度に違いがあるの、わかるでしょ。
優先度の高低も察しがつく。
あなたは、あなた自身が考える労を省くことを望んでいない。
だから、自分の頭で考えてみないとわからないような、
あいまいな形でしかヒントをくれないの。
最初のうちは、「なんのことだろう?」って考えて(=問うて)も
インスパイアが上手く受け取れない場合もある。
そんなときは、「ハイちゃん、もっとわかりやすいヒントをちょうだい」って
お願いしてみるといいわ。
日中、なにか気づかされることが起こるかもしれないし、
翌日、あらためてもうちょっと具体的な夢を見るかもしれない。
筆者の場合、たとえばこんなことがあった。
ある件で、もう1週間以上悩んでいた。
さすがに、決心がつきかねている。
前からうっすら思ってはいたのだけれど、インパクトがあまりに大きいので、
夢のほのめかし程度ではとても実行する気になれない。
そうして、だらだらと時間ばかりが過ぎていた。
ある朝、とうとう彼は「もっと、わかりやすいヒントをください」って
お願いをしてから家を出たわ。
途中、たまたま立ち寄ったコンビニでトイレに入ったのだけれど、
直前の方の「大」の残り香がキョーレツで、鼻がひん曲がりそうになった。
そこで彼はピンと来たの。
「あ、やっぱ Noってことだな」って。
出社するとすぐ、彼は東京オフィスの閉鎖を決めた。
* * *
エドガー・ケーシーやユングの、夢に関する著作を読んでみてもいいと思う。
ただ、人それぞれ個性があるので、あんまり深入りしなくていい。
文化圏による違いも大きいし。
それより、自分なりに向かい合う、メモを取る、試行錯誤する、って方が
はるかに大事だわ。
夢を介して対話できるようになると、日中にシラフで降りてくる
インスパイアの質も向上するから、おもしろい。