『ヒミツ』第4巻 14 家族のカタチ2
14 家族のカタチ2
電車に乗ったところを想像してみて。
たくさんの人が同乗しているわね。
あなたは神楽坂駅に向かっている、としましょう。
このときあなたは、同乗者たちに
「神楽坂って、いいところよ。」
「向かうなら、絶対神楽坂駅よね。」
「当然、神楽坂こそ、目指すに値する目的地でしょ。」って
言って回るかしら?
もちろん、しないわよね。(笑)
人それぞれ、目的地は違う。
経路も手段もね。
地下鉄だけで行く人もいれば、タクシーを組み合わせる人、
そもそも飛行機への乗り継ぎが目的、って外国人もいるでしょう。
たまたま人生の一時期、必要があって同じ電車に乗り合わせただけであって、
同じ車両に乗ってるから方向性や行先や経路までみな同じであるべき、って
あきらかに<やりすぎ>よね。
家庭内も同じよ。
電車やシェアハウスよりも長期性はたしかにあるけれど、
都会のマンションみたいにお互い不干渉、ってわけでもない。
この微妙な距離感のなかでなにを感じ、どういった経験するか?
かんたんには外れない縛りのなかでこそ輝く生とはなにか?
家族は、それを学び合ってる。
できるだけ自由に選ばせてあげて。
あなたが理想とする家庭像からはかけ離れちゃうかもしれないけれど、
それはお互いさま。
安心できる場所があるからこそ、学びに行ける。
安全な寝場所があるからこそ、冒険に出かけられるのよ。
そしてね、必要だから「あなたとの家庭」は生まれたの。
このことも忘れないで。
全部が全部、最後までずっと、というわけではないけれど、
必要なら維持されるし、不要なら勝手にほどけていくから、
流れにまかせて大丈夫。
恐がることない。
<脳の欲望>で結ばれてる関係なんかより、ずっと強いから。
あなたの家庭は、<魂たちの必要性>で結ばれてるの。
万が一ほどけるときは、ほどくのにベストなタイミングが来たから。
両方とも、たいせつな必要性。