『ヒミツ』第4巻 6グレート・リセット2
『ヒミツ』第4巻 6グレート・リセット2
頭のいい人たちは、理屈が得意だ。
複雑な数式や難解な専門用語を、流れるように操ってみせる。
著書も多く、教授や研究員、解説委員、議員など、
名誉と権威と富がセットになった立派な肩書をいくつも持っている。
世の中的には、そのどれも持ち合わせない人々は、
それらを持つ人に従うべきだ、ということになっている。
異を唱えるとジャッジの鉄槌が下され、レッテルが貼られる。
ときには社会的に抹殺されてしまうことも。
中小企業の中間管理職にすぎないケイコにもささやかな社会性はあり、
守りたいものも、失いたくないものだってある。
だから彼女は、
・同じ土俵に上がらない
・反論せず、笑顔で遠ざかる
・問題視しない、華麗にスルー
・たのしい My Project に集中
・惹かれないなら断る、がまんして付き合わない
・自分も、相手に押し付けない
・相手のやり方&タイミングを尊重する
という生き方をしている。
世界を変えようとやっきになる人たちがいるが、
それだとすぐさま、<対立の構造>にからめとられてしまう。
そうではなく、自分が世界に関わる、その関わり方の方を変えていくのだ。
大きなことをやろうとせず、
目の前の小さなことを大いなる愛をもってやる。
手元の小さな豊かさを味わい、日常の小幸せを愛でる。
たとえば、夜ベッドのなかで「ありがとう」と言ってから寝る。
ただこれだけの、ほんのささやかな習慣だけれど、
「感謝の気持ち」が暮らしのベースにある人は、
ひがんだり、嫉妬したり、恨んだり、卑屈になったりしない。
<被害者>になることもない。
世相の影響を受けにくく、必要な豊かさを自ら創出しながら生きるような、
<主人として世界に関わる>という関わり方をしやすい。
そうした人々が増えるほど、世界は確実によくなっていくだろう。
結果的に、世界を変える最短距離なんだと思うけれど、
こうした「日常の些事」は、グローバル・マクロを語る
権威ある人々の難しい話にかき消されやすい。
矮小だ、自分勝手だと、
正しさを振りかざす<目を三角にした人々>には
黙殺されるのが常だ。
でも、グレートなリセットが起きたとき、
もっとも甚大な被害をこうむり、
世相の変化に直撃されるのはどちらの人々だろう?
ケイコには、あきらかなように思えた。